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ヨコハマメリー


レースの白いドレスで着飾った
白塗りの老婆が横浜にいるという。

メリーさん。
彼女のことを人はそう呼ぶ。

この話を初めて知ったのは
学生時代に買った、ある雑誌で。
文章の内容はよく覚えていないけれど、
写真の印象がとにかく強烈で記憶に残っていた。
異様さと同居する気品。
ソフトフォーカスがかった
その写真は、まさに都市伝説そのものだ。




そして。
最近、ふとしたことから
「ヨコハマメリー」という
ドキュメンタリーDVDを借りた。
この作品は、メリーさん個人を……というより
「横浜のメリーさん」と呼ばれる女性が
生きた時代を追っている。

もちろん、さまざまな証言で
謎めいたメリーさんの素性は明らかになってくる。
でも、印象に残るのは、
終戦後の横浜のきやびらかなネオンだ。

アメリカ兵とやくざが集う酒場。
たくましく生きる女たち。
白黒の資料が画面に映りゆき、
当時を語る人々は老いている。

見ていると、ただひとり、
メリーさんだけは変わっていない気がしてくる。
もちろん年齢のことではない。
「メリーさん」は「あのころの横浜」
そのものなんだ、ということに気づく。

きっと白塗りの出で立ちから、
メリーさんは生きながらにして
横浜という物語を背負った。
その物語は事実でもあり、歴史でもあり、
幻想でもあり、理想でもある。
いいこともいっぱいあった。
きっと悪いことだっていっぱいあった。
でも、人々の記憶は過去を美化するもの。
偏見と奇異の目にさらされつづけた彼女はいつしか
「あのころの横浜」を象徴する伝説になった。

このドキュメンタリーは
彼女が横浜から姿を消してから作られたそうだ。

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( 2008.05.18 ) ( 未分類 ) ( COMMENT:0 ) ( TRACKBACK:0 )
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