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未来圏からの風

伊坂幸太郎「魔王」を読んだ。

以前、選挙直前に読んだ「呼吸」も収録された
文芸誌「イソラ」の読み切りがまとめられたもの。

「魔王」は兄、「呼吸」は弟。
兄が過剰なまでの熟慮とするなら、
弟はぼんやりとした憂慮。
ついとなる作品で、ぼくらの時代の気分を描きだしている。

対立構造やフットボール的愛国心、
キャッチーなフレーズ……といった、
わかりやすさが求められる今の風潮の危険性。
ことなかれ主義や敗戦国意識、禅問答のような答弁……
といった、「かっこわるい大人」にうんざりし、
無関心と無知識をよしとする態度の整合性。

そんなことを思った。

「近現代小説」といえるほどリアルなのに、
どこか「現在進行形的寓話」と表現したくなる。
そんな、ある意味おとぎ話のような
ストーリーに仕上がっているのは、
伊坂氏の人物設定のうまさ、引用や暗喩の配置の妙だと思う。

ぼくの駄文では、
カタックルシク感じるかもしれないけれど、
すごく素敵で
考えさせられる作品だ。

最後に。
タイトルは、この作品で引用されている(重要!)
宮沢賢治の詩からとったもの。
この言葉にひっかかった人はぜひご一読を。

 新たな詩人よ
 嵐から雲から光から
 新たな透明なエネルギーを得て
 人と地球にとるべき形を暗示せよ

 新たな時代のマルクスよ
 これらの盲目の衝動から動く世界を
 素晴らしく美しい構成に変えよ

 諸君はこの颯爽たる
 諸君の未来圏から吹いて来る
 透明な清潔な風を感じないのか

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( 2005.11.01 ) ( 未分類 ) ( COMMENT:0 ) ( TRACKBACK:0 )
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